忘れる時

76年前の今日

東京が焼け野原になったなんて

 

10年前の明日

東北が津波に呑まれるなんて

 

そして今

非常時の最中

 

戦争もしていない

災害も起こっていないのに

 

外に出られず

花見もできない

 

世界が終わらないだけ

厄災もなくならない

 

人生が終わらないだけ

不幸もなくならない

 

ならば

不幸に目を向けて

 

人生を終わらせるのは

馬鹿げだ話だ

 

どこまで

グシャグシャに潰れても

 

生きていれば何とかなる

 

死にたくても

辛くても

苦しみに藻掻いても

 

忘れられる時はある

 

人は

おそろしい程に

単細胞である