一杯の紅茶が飲めれば世界はどうなっても

同じお金で

多くの生命が救えるなら

 

効率的であるほうが

人道的に決まっている

 

しかし

どんな対価を払おうと

 

目の前に

救いたい生命があり

 

見過ごせない思いがあり

己の魂が揺さぶられるなら

 

効率のことばかり

考えていられない

 

マクロとミクロ

 

大きな視点で

世の中を俯瞰して

 

大きな影響を行使する

 

そんな振舞いが賢くて

目の前の出来事に

一喜一憂することが愚かだとしたら

 

愚かを抱えて

生きていきたい

 

どんなに多くの

どんなに莫大な

 

善行を施そうが

世界を救おうが

 

今の刹那

わたしの目が見た世界だけが

現実であることは揺らがない

 

一杯の紅茶が飲めさえすれば

世界がどうなってもいい

 

そう言った作家の前では

どんな効率も合理性も

きれいごとにしかならない