耳障りの良い言葉

耳障りの良い言葉が苦手だ

人から褒められても
おべっかを使われているんじゃないか
本音ではそんなこと思っていないんじゃないかと
疑ってしまう

そんな心根だから
自分が用いる言葉も愛想がない

人を困らせたり
悲しませたり
不快な気分にはさせたくない

人をもっとも傷つけるのは
心ない言葉
心のこもっていない言葉だと思っている

表面上はきれいでも
本心がそこに無いとき
それが人を侮辱することだと考えている

こんな考えは
おそらく私が
真心で通じ合えるという
甘い幻想を抱いているからなのだろう

心なんか無くても
見せかけの言葉に救われることだってあるさ
それは分かっている

だけど
不器用でも
無口でも
嘘のない人を愛したいのだ