不安、不定、不安定

いつからか不安定が怖くなった

若い時
変化は怖くない
学校が変わり
人間関係が変わり
仕事が変わる

変化には不安がないとは言わないが
それは希望も内包していた

新しい学校
新しい友人
新しい仕事

変化は挑戦を伴い
成長を促し
自分を良い方向へ変えてくれるはずだ
と思えた
自分が不安定であるのが怖くなかった
自分を疑わなかった
どこに行っても何とかなる
浮遊しても墜落する予感などなかった

不安定であることは不安を喚起する
変化するとは失うこと
自分は何も築いてないのに
本当は失うものなどないのに
変わるのが怖い

落ち着いて
昨日と同じように
同じ場所で
同じものを食べ
同じリズムで眠る

良く言えば
安定した日々の暮らしの大切さに気づいた
悪く言えば
挑戦する心を失った

どちらを取るかと言えば
このまま何もせずにこの世から消えるのは忍びない
不安定になってもやる

しかし現実は
踏み出す覚悟を持てず
安寧のなかに拘泥し
蒲団のなかでヌクヌクと過している

その情けなさを恥じ
少しだけ意志を持って
石を積む

石をどこまで積めるのか
不安定で崩れるかもしれず
積み続けられるか分からない

足元に一つ石を置いて
もう一つ置いて
あまり先を見ず
不安の塊のなかにいても
不安だと考えることを止め
一日に少しだけの変化だとしても
その変化を歓迎して
また一つ石を置く

それしか出来ない
もうそれしか出来ないんだ