変わらない日々

変わらない

退屈と安心

 

変化への

憧れと不安

 

食べ物一つとっても

人は安定を好むもの

 

しかし

安定に飽き

新鮮な何かを求めている

 

変わらない日々でありながら

少しの変化にも敏感で

 

小さく小さく

顕微鏡を眺めるように

些細な出来事に気を配る

 

この繊細さ

ちっぽけさ

 

退屈も過ぎれば

苦痛となり

 

日々のルーティンは

拷問そのものだ

 

逃げたく

抜け出したく

 

この安定に

支えられていながら

 

決して

満足などできぬ

 

小さな幸せとは

挑戦を諦めた者がすがりつく

自己肯定ではないのか

 

最後には

そこに行き着くことになろうと

 

海があり

船があり

食料があり

海図がある

 

漕ぎ出してから

嵐に遭うかもしれぬ

 

だが漕ぎ出さずにはおれぬ

 

この世に産み落とされた我々は

はじめから

漂流しているんだろうに