命の重たさ

命にかけがいはない
命は何よりも大切

小さな頃から
ずっとずっと
教わってきて

大事にしてきた
つもりだった

いつの間にか
生きることに慣れて

お題目だけ
御大層に抱え

なぜ大切なのか
どうして大事なのか
考えもしなくなってしまった

大事にするとは
どうすることか

誰でも死ぬのが分かっていながら
死なないようにすることか

他者の死を
無下に扱わないことなのか

いや
そうじゃない

死を避けることが
命を大切にすることではなくて

いずれ死が訪れるまで
生きている今を
ないがしろにしないこと

出世するとか
金を稼ぐことより

ああ今生きてるって
実感すること

楽しくても
嬉しくても
苦しくても
悲しくても

おいしくても
眠くても

ここに在ると分かること

立派じゃなくても
意味がなくても

私が私と分かること