死者踊らせて

人なくなれば
必ずや

モノやヒトの
関わりが残って

誰かが
引き継ぎ

整理し
尻を拭う

大きなものが残れば
人が集まるし

死者の遺産のおこぼれに
あずかりたい輩も

ひょいと顔出し
様子を伺う

何かあるたび
何かするたび

死者へのヨイショ

あの世でも
喜んでいるよ

いい供養だった
満足してるに違いない

ところがどっこい

死者に口なし
言葉なし

そのはずが
死者を代弁するもの多く

生きてたら
こんなことを言うだろう
あんなことをするだろう
これをして欲しいに
違いない

こうして
死者を踊らせ
死者の味方のふりをして

死者の口を借り
己の欲望を
満たそうとする

こうすれば
あの世の死者さんも
喜ぶだろう

必ず
良い供養になるよ

馬鹿野郎
そんなことあるか

死人に口なし

調子のいい美辞麗句で
死者を私物化するな

勝手に死者を踊らせて
善人のふりをして
死者を食い物にする輩

人が死んで
働きよりも
実入りがいい連中

くそったれ

欲望に裏打ちされ
嘘で塗り固めた
反語的礼賛

溢れてやがる