自分のことばかり

気がつけば
自己語り

隙きあらば
自慢話

恐ろしいほどに
強い自己愛

どうにも止まらない

周囲を見回し
空気を読み

恐る恐る
一歩を踏み出した
はずだった

いつの間にか
面の皮は厚くなり

御身大事が
隠しきれず

甘い汁を求め
人から人へと飛び回り

欲望を満たそうと
必死になるのっぺらぼう

開けっぴろげは
嫌いじゃない

欲望に正直だって
悪いことじゃない

だけど
自慢話に金の匂い
損得勘定だけの世界は

関われば
関わるほどに

わたしを
狭く
小さく
汚く
嫌なものにしてゆく

自分のことばかり考えて
誰かの言いなりになるのが癪で

よけいに我儘に
愚かに堕ちてゆく

希望も絶望も
人のつながりから生まれ

私の中で育ち
やがて枯れる

そんな繰り返しを
うんざりするほど経て

不意に
人の役に立ちたいと
思った