旅のこうよう

旅に出れば

高揚する心

 

旅を想い

旅に酔い

 

旅を詠い

旅に人生を重ねる

 

短く

仮初の生き様が

旅にあり

 

旅人という仮装は

自由と放任と

望洋の浮雲をもたらす

 

知らない土地に赴き

異人となり

生活から解き放たれる

 

旅に出ている間

心は洗われ

生活は天日干しにされ

 

戻りゆく世界もまた

旅を通じて

異なる風景を見せてゆく

 

谷に降りれば

山に登りたくなり

 

登ればまた

降りた世界への目線も変わる

 

旅が

日常の陰影を浮かばせ

 

鈍った刃を研ぐように

刺激をもたらす

 

再び消耗し

鈍りきった日々が到来すれば

 

日常は

非日常によって

 

更新されなければならぬ