旅に飛べば

変化のない

日常の息苦しさ

 

年の瀬も迫り

今年も暮れゆき

 

木枯らしに

身を晒す寒々しさが

心までも強張らせる

 

こんな夜は

旅に出る夢を見る

 

行きたいところ

食べたいもの

会いたい人

 

なにものにも縛られず

心は身を離れて

世界を駆け巡る

 

四畳半一間から

雪国へ南国へ

 

車窓は刻々と変わり

何もない時間

 

座席にもたれ

まどろみ

どこまでも遠くへ

 

希望の地に

辿り着いた夜は

 

居酒屋で

方言を聞きながら

杯を傾ける

 

温まる体

ほぐれゆく心

 

束縛から離れ

どこまでも自由で

 

ほろ酔いになれば

明日を夢見ながら

眠りにつけるだろう

 

どこにいようとも

心だけでも

飛ばせたら

 

明日は約束される