国のはずれでも竹槍を振っている

疫病に抱かれても

人は強く

たくましく

 

どこであっても

生きて

暮らし

 

同じく

弱々しい精神で

不安や疑心に怯え

 

眼にも見えない存在を

警戒しながら

 

監視と恐怖からなる

同調圧力の紐帯を組み上げ

 

居心地の悪い

共同体を形成していた

 

そこには

エゴと

 

エゴを覆い隠そうとする

言い訳が

散りばめられ

 

人の迷惑だの

感染拡大防止だの

人に移さない努力だの

 

己が生きる領分を

はるかに超えた

社会貢献が強制されている

 

律儀で

生真面目な弱者は

 

引きこもり

人と会わず

鬱屈の果てに

精神を病もうと

 

彼に監禁生活を強いた

世の中という奴は

 

せいぜい

かわいそうだと言うくらいで

 

何の責任も

取りはしない

 

社会のため

世の中のために

 

自主的に病むなど

あってはならないと

 

近代の法哲学

教えてきたのではなかったか

 

人の権利を

脅かして

 

顔色一つ変えない輩に

従ってはならない

 

怖いのは

いつだって

人なのだから