振るえる花

外に置かれた

ひと差しの花に

 

風が吹きつけていた

 

海辺の風が

 

塩辛く

砂の混じった

 

痛く

冷たい

空気の塊が

 

花弁に

葉脈に当たっては

振るえていた

 

曇天の下

緑と黄色の

小刻みが振動が

止まない

 

茎は曲がり

今にも折れてしまう

その刹那

 

ふと

風が止む

 

陽が

雲の合間から

光線を見せる

 

たわんでいた花が

しなやかに

元に戻り

弛緩した