働く機械

毎年

この時期に

山がある

 

ろくに眠れない数週間

何も考えられず

朝から晩まで仕事をしている

 

眠く

だるく

空腹で

 

ただ

手だけが動いている

 

それは

不快であり

苦しみに違いないのだが

 

悩ましくはない

 

目の前に

やるべきことがあり

 

それを

こなしていく機械になっている限り

 

生きる不安や

己の存在の意味など

考えずに済む

 

考える暇もなく

行動していることで

 

別の

苦しみを享受していることで

 

形而上から

解き放たれ

 

人間性を失いながら

人間としての不安から解消される