人の波

この国に蠢く

人の波が

 

横断歩道を

渡ってゆく

 

どこへ

何を求めて

 

大きな物語の終焉を忘れ

 

再び

動き出す

 

四季は変わらず

人だけが

変わってゆく

 

もう二度と

戻らない場所などなく

 

同じことを

繰り返しては

 

同じように

嘆き

 

愚かだと

卑下しては

 

いつの間にか

忘れている

 

それでいい

それしかない

 

愚かであるのも

また人

 

バカにしたって

最後には

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