友情という虚妄

久しぶりに会った友人が

 

新興宗教に入信し

熱心に勧誘してきた

 

頑なに断り

友人との関係は切れた

 

残ったのは

友情を踏みにじった後悔

 

理屈で考えれば

友情を利用してきたのは

相手の方であったろう

 

それでもなお

関係を絶ったのはわたしであり

 

わたしの意志であり

わたしの決断だった

 

友情など虚妄であると

分かっていたはずが

 

どこかで

甘くぬるま湯に浸かった心地で

人間を信じていた

 

信じていたと言っても

それは

己の思うような常識の通りに

相手が思考し行動するという

 

狭く

型にはまった

考えを盲信していただけで

 

わたしはわたしで

わがままに

相手に甘えていた

 

冷や水

ぶっかけられ

 

脊髄反射で拒絶して

後悔に至った今

 

自己卑下へのレールが敷かれてしまった