老親

全ての人間は
誰かの子供であり

全ての人には
望む望まずに関わらず
親がいる

親が老いて
赤子に還ってゆき
自分のことを
自分で出来なくなったとき

子供として覚悟はしていたが
それ以上に
親が動揺していたことに
驚いた

人には
年老いて死ぬか
年老いる前に死ぬか
どちらかしかない

年老いるまで生きたことは
肯定すべきだろうし
年老いた人間にしか分からない
苦悩もあるだろう

そんな苦悩もまた
当人にしか向き合えないもので

子供としては
見守って
本人が求めた分だけ
手助けする

それは
子育てに似ている
やがて
親は赤ん坊になるのかもしれない