彷徨い

水不足だ渇水だと
舌の根も乾かぬうちに
大雨で洪水になった

不足を気に病み
充足を求めても
過剰となると
足りないよりも始末が悪い

気象をみて
過不足ないのが一番だと
教訓めいた
意味を読み取るのも
悪くはないのだろうが

それを生活や人生に置き換えてしまうと
山も谷もないのが
一番いい生き方であるかのように聞こえてしまい

そんな人生だったら
きっと自分は物足りなく思うに違いない

刺激を求めて
面白さや楽しさや美味しさを求めて
叶えば喜び
ときに痛い目に遭い
妥協もすれば
逃避もする

いつになっても欲望を捨てられず
同じような失敗をしても
再び試みて
歳を重ねる

この彷徨いが楽しくなってくるのが
これからだ