ただ書く

いつだって

病気になっても
怪我をしても

親が死んでも
家が燃えても

文字を書く

何もない
何も持っていない

書くことなんか
たいしてない

内容はスカスカ
人の心も動かない

だけど

書いて
書いて
なお
書いて

文字に寄り添って
文字を引き寄せて

身体の一部となるように
いつでも自在に使えるように

それだけを願って
書く

書くことでしか
意味は伝えられず

文字でしか
意味は立ち上がらない

そうなるように
自分を仕向けて

書き続ける

終わりなどない

死ぬまで