抜け殻

魂は

どうしたら消耗するのだろう

 

人と摩擦を起こすことか

押さえつけられ

苦しめられることか

 

世に出て間もない

子供の目は

キラキラと輝いて見えるが

 

年を経るにしたがい

輝きは摩耗し

鈍り

動かなくなる

 

何にでも

楽しい思いを乗せられたあの頃

 

未来は明るく

何者になれなかったとしても

前を向いていられた頃

 

今は

疲れた

 

面倒くさくなった

 

人生を後悔するエネルギーも

暇つぶしのために己を恨むことも

 

ただただ

考えるのが億劫で

 

この面倒くささ

億劫さが

 

人生を鈍色に

味気なくしている

 

山も谷も

しんどくても

 

何もないよりは良いと

分かりきってはいるのだが

 

ただただ

疲れたくないために

じっとしている

 

動きを減らしたまま

徐々に死に状態に近づいていき

 

やがては

本当の死を迎える

 

それは自然なことだ

 

ただ面倒なのは

 

それで良いのかと

自問自答がつき纏うことだけ