2021-02-16 気まずい地獄 #詩 詩 うらびれた 下を向いた者ばかりの 場末酒場に うるさい爺がやってきて がなり立てる 黙って 酒を啜る者たちに 成功を語るという愚行 話を聞く者はなく 爺は一人ブツブツと愚痴り 酒が回ると 見境なく話しかけては 相手にされない この無言の酒場に 言葉を持ち込んだ報い すれ違い 気まずい瘴気 再び爺ががなり立てる 私は隣でうつむき グラスを傾ける ああ地獄だ 脳がしびれる