子供心に思う昔は
美化された子供心
あの時
美しくも
懐かしくもなく
何も思わずに
見ていた
分からないことすら
分からないまま
なんでもない風景が
脳裏に焼き付いて
あれから
数十年
何度も何度も
上書きされて
それでも残ったイメージが
不思議と浮かび上がり
無垢で純粋な
往時を思わせる
本当は何もないだけ
何も考えられなかっただけなのに
何も思わなかったことが
美しいと
なぜか思っている
今では
絶対に戻れない
思考なき視野
良いはずもないのに
良いと思いたがっている