体の芯まで
冷えてくるような夜に
遠くから
子供の泣き声が聞こえる
忘れていた昔を
召喚する
感情の塊だった
あの頃の無意識を呼び戻す
生き物の本能に
訴えてくる呼び声が
心を震わせる
こんな寒い夜に
記憶の蓋は開き
ドロドロに混ざった感情が流れ出すなんて
原色も
褐色も
歯磨きのチューブのように押し出され
意識は混濁し
暗闇を彷徨する
流れ流れて
守り守られてきた自我を揺るがし
ただ寒さのみで
意識を保ち
子供の泣く声を
声明と聞いて
溢れ出す
無意識を感じながら
一夜を過ごした