人が人であるために

人が人であるために

夢を見て

 

人が人であるために

未来を描き

 

人が人であるために

妄想に溺れ

 

人の顔は

いつも

前を向いている

 

現実に生きるつらさよ

 

夢は

人を生かす幻

 

遠き大地へ

人を駆り立てる源

 

現実がなくても

夢があれば

 

夢を追っている間だけは

人は人でいられる

 

いつか

人の生が終わるとき

 

夢も枯れ

命も枯れる

その時

 

夢を見ていた自分を

振り返れたなら

 

夢に溺れても

悔いはなかったろう

 

青臭い若さが

幼くて恥ずかしく

 

言葉の上っ面に

赤面し続け

 

夢など

おくびにも出さず

 

灰色に染まりきった人生の

奥の奥には

 

まだ赤いオキが

煌々と燃えて

熱く輝いている

 

その熱気に触れたなら

たまには

10代の子供に還って

 

青臭い草を食み

幼稚な唄で

踊りだしたっていいだろう