言葉との別離

言葉が離れてゆく

ともに生き

命をつないできた

 

言葉が

いまは郷愁のなかにしかない

 

すでに

わたしの言葉は

役目を終え

 

旅立っていたのだろう

 

残り香を嗅ぎながら

未だ傍らにあると勘違いしていた

 

もうないのだ

 

終わっていたのだ

 

わたしは獣になって

心臓を拍動させる一個に過ぎず

 

精神は収縮していた

もう

 

なにかに

 

しがみつくのすら

 

しんどい