空腹の夜

疲れ切って

寝てしまい

夜中に空腹で起きる

 

水を飲み

再び床についても

もう眠れない

 

食べ物はある

近くに買いにも行ける

 

ただ億劫で

食べるのが面倒で

 

布団の中で

心は過去を辿っている

 

空腹の夜

冬の風吹く夜

 

一人

体を折り曲げ

夜明けを待つ日

 

何も持たず

寒さに震えていた

 

未来なんて

考えられなかった

 

ただ日が昇り

明かりと暖かさだけを

待ち望んでいた

 

どうしようもなかった

 

それでも

生きていた

 

確認するまでもなく

生きる意思はあった

 

迷うこともなく

食べて

歩き出そうとしていた

 

腹が減っては食べ

歩いて

疲れたら眠り

 

それを

ただ繰り返す

 

腹が減るのも

疲れるのも

当たり前で

 

過去も未来も

己を反芻する必要も

なかったのだ