2018-01-01から1年間の記事一覧

負のスパイラルの心

どうしたんだろう どうなってしまったんだろう 自分の中の 心のあり様 どこに行っても 何をしても 心が躍らない 痛みも苦しみも 嫌なことだってないはずなのに 不満が吹き出して イライラして 怒ることだけが 唯一の感情で 過去に怒り 今に不満で 未来に希望…

大いびき よだれ臭の夜

半開きの口 大きないびき 不意に止まる呼吸 静寂をやぶる轟音 普段 どれほど温厚な人でも 寝てしまえば 人格は関係ない 悪魔の叫び 地獄からのうなり声 全力でがなり立て 耳をつんざく 空いた口から よだれが流れ 口呼吸の呼気に 晒されて 生乾きとなり 匂い…

ネガティブの抽斗

どれほど時が経ったのか 過去に埋もれたはずの 数々の記憶 一つ思い出しては 赤面し また思い出しては 息が詰まる わたしのこころは わざわざ 昔をほじくり出して わたしを苦しめる 完璧な人間などいない 嫌な記憶のない人などいない それなのに 欠点を探し…

浮遊する街

若者が出ていって数十年 残った商店の跡継ぎたちが 知恵を振り絞った町おこし おしゃれなカフェと 食べ歩きのイベント B級グルメ 屋台村 そこかしこに 不思議な銅像が点在して モダンアートだの 芸術の町だの わけのわからないことを 売り物にしている どこ…

忘れていくあいだ

あの時の 潮風の匂い きらめく水面 駅から とぼとぼ歩いた街 自転車の中学生 釣り糸を垂れる好々爺 自分で感じたことなのに するすると 指の間から落ちる砂のように 記憶が瓦解していく 嫌なことも 嬉しいことも 感覚が朧気になり 自然に朽ちる屍のごとく 少…

車窓の夢想

電車は 様々な人が乗って 多くの夢を運んでいる この大きな動く箱で 移りゆく景色を眺め 次々現れては消える家々と 住む人の分だけ そこにある欲望を 通り抜け カタンコトンと響く 枕木のリズムに まどろみながら 日常を抜けた安堵と たどり着く場所への期待…

旅心を得る時

旅に出ても 仕事の葛藤 人間関係 日常の煩わしさは ついて回り いづれ戻る 普段の生活を考えて 鬱々として 旅の今を楽しめない だが 何かをきっかけに 日常から解放され 憂さを忘れられる時がある それは 日帰りの旅行で得られることもあれば 一ヶ月かけても…

出かけます

一週間ほど出かけます

旅立ちの前夜

今日 わたしはこの街を捨てる 慣れ親しんだ 故郷を出て 知らない街へ 馴染みの店 旧友とも 永久の別れ 私を柔らかく包んでくれた繭は いつしか 体にまとわりつき ドロドロに溶解して 耐え難い腐臭を放っている 私が生きて 出会ってきた 全ての素晴らしいもの…

愁眠に疲す

肉体も追い込まれると 心病んで いつしか 何も考えられなくなる 寝ずの日々 金属音が頭を切り揉むように 響いて 視線を落として 歩く道は 風景も 人の顔も見えない とりあえずの風呂 とりあえずの食事 とにかく 手っ取り早く 雑事を済ませ 蒲団に潜り込む と…

つらいってことが・・・

本当につらければ 耐えられない 辛くて苦しいなら 人は逃げる 逃げて 隠れて どこかで またやり直す でも そんなこと 滅多にない 毎日 脅かされるのは あとちょっとだけ 頑張れる もう少しだけ 我慢できる そんな小さなストレス 出来ないことじゃないために …

単純・反復・作業・永遠

いつまでも続く コンベアーのベルト 同じモノの 同じ場所に 同じように加工して 次を待つ 延々と 繰り返す 流れ作業 体の 同じ部分が痺れ 脳が痺れる いつ終わるのか 休む暇もない 同じ作業 同じ毎日 ただ自分の人生を 削り取られるだけじゃないかと 不安が…

生命の藻掻き

舟から 釣糸垂らして 針に食らいつく 魚の鼓動 プルプルと震え 藻掻き 足掻いて ついには 船べりに引き上げられる 食い込んだ針 激しく動くエラ 暴れて 必死になって 命をつなごうとする 健気さと裏腹の 魚体の輝き 命は こうして手玉に取られ 美しさを放っ…

閉じてゆく年

今年も 野球が終わって 酉の市が立てば あっという間に 歳末の気配 毎年 何事かあり 日常は さざ波を立てながら うつろう ホロホロと 崩れる砂上の家 シワが増え 目がしぼみ 弱る体 弱れば 弱るほど 一日が大切になって 平穏に安堵し 暮れる年に しみじみと …

哀しきマッチョ

折り合わず わが道を一人歩き 仕事帰りに バーベルを上げ ダンベルを振り回して 疲労困憊 酒は飲まない ささみにブロッコリーを タッパーに携え いつももぐもぐと 口を動かす 誰かに体を見せるわけもなく 習慣という 味気ない日常に身を浸し 猫を相手に ポー…

暮れる影

つるべ落としの 秋の陽 夕は すっかり暗く 人は長く伸びた 影を背負い 顔も分からず 歩き回る この影 一つ一つに 人生があり 人は命を抱いて ここに居ると思えば 世界の豊かさが 人の光と影が そら恐ろしくなり 目を落とす 影は濃く 闇と一体になって 足元は…

唄う女

歌いながら 街を歩く女 髪振り乱し 首振って 声を張り上げる 気がふれているような 素振り その声が あまりに伸びやかで しなやかで 美しいので 心奪われ 我忘れ 唄う女の あと追って 歌を聴きに 歩き回り 気が狂れた 一団となり 街から街へ 歌の限りを 追い…

ぼうふらの誕生日

澱んだ水のなか クネクネと 身をおどらせ はね回るぼうふらよ この寒さでは 冬も越せまいに おまえは 今日生まれて 何日も経たずに 死んでゆく おまえの親は おまえの行く末なんぞ 考えていなかった ただ産むことだけ 産んで死んで 代わりのおまえが 水のな…

力の源

出世欲や競争意識 危機感 大切な人のため 人を駆り立てる力 モチベーション 自覚して 拠り所にすれば 弱い心を助け 支えてくれるだろう すがりついて 埋没すれば 意固地に凝り固まって 目が見えなくなるだろう 人の心のエネルギーは 摂れば摂るほど 依存して…

悪くはないがこれで良いのか

今日も一日が終わった 何事もなく 平穏に暮れた日常 このまま 何十回 何百回 多少の 紆余曲折はあろうとも 同じような 日々を過ごし 人生を終える それで いいのか それで 生ききったのか このまま過ごせば いつしか 活力は衰えて 人生を燃やす 意志は薄れ …

今の世の潔癖さ

この街は 恐ろしいほど きれいになった ゴミひとつ 落ちてない 野良猫は ずいぶん前に消えた 少し太ったら 目の敵にされ 税金を使って人を守っても 袋だたきにされちまう みんな ちゃんとしてなきゃいけない 人に 迷惑をかけちゃいけない ネットで落書きした…

わたしと世界 過去と未来

わたしの言葉は 私が世界とつながるか つながらないか ただそれだけを 紡ぐ わたしの時は 過去の記憶と 未来の夢と 二つしかない 空間と時間の 単純なベクトル 気づいたら その檻から 一歩も出ていなかった 過去の体験を語り 嫌になれば 夢のような未来に期…

小径の夜

酔い覚ましに 歩く小径は 鬱蒼とした銀杏 黒く大きく すれ違う 人の影さえ 長く尾を引き 驚かされる まだ残る 酒の香 顔をたたく 涼風 足音が 不意に迫っては 千鳥足のわたしを 追い抜いてゆく こんな夜もあっていい こんな夜もあっていい 言葉足らず 気持ち…

バービー人形に似た人

背は低く 色黒 パンチパーマをかけた 白髪混じり 70歳に至ろうかという男性 まったく 似たところが無いはずなのに 口元だけは バービー人形にそっくり ただそれだけで バービー人形とあだ名され バビちゃんと呼ばれ 50年 良かったのか 悪かったのか ただ そ…

きれいな木霊

高く上り 山肌に向かって 声張れば 遠くから 響いてくる木霊 大きな声なら大きく 小さな声なら小さく わたしをなぞり 追いかけ 反響で山は満ちる 人の世の 山々 親切には親切 悪意には悪意 上の権力にすり寄れば 下の者をこき使い ズルく怠惰に生きるなら 他…

こんなきれいな秋の夜は

こんなきれいな秋の夜は 何をしたって似合うだろう こんなきれいな秋の夜は 歩く街さえ美しい 少し欠けた名月が 背中を照らす 薄明るい空 店仕舞いした八百屋や魚屋が ぼんやりと 闇に浮かんで 私の影は 建物を舐めるように 伸びる たなびく雲 流れる風 月は…

おしゃれで華やいだ非日常の銭湯なんて

銭湯の人気は じわじわと戻り ツイッターでの宣伝や ネットの利用 スタンプラリーや 人寄せの講座 様々なキャンペーンを 展開する リニューアルした銭湯は 新しく華やいで 変わり風呂に きれいな脱衣所 休日となれば 子どもたちや外国人 楽しくはしゃいで 動…

不通の最中

いつも会う 仕事の仲間 買い物での 店主たち そんな連中と違って 普段会わないけれど それなり 親しい人はいる お互い 忙しく 連絡をなかなか取れず それが 半年経ち 一年経つと 今度は 連絡を取るのが こわくなってくる 何かのきっかけ 下手でも良いから 言…

悪いことばかり思い浮かぶ病

平穏な生活を 送りたい自分と 平穏な時に 波風を立てたい自分がいて 焦り 悩んでいるときには 引っ込んでいたのに 悩みから解放されると また どこかに悩み事を見つけてくる 過去の記憶 家族の短所 悪いことばかり 目につけ イライラを募らせ ふとした隙に …

人生の果実

恐ろしいほど 機会を台無しにしてきた 人生の岐路また岐路で 自分を裏切り 出来たはずの仕事を投げ出し 続けられた人と縁を切り 不都合に耳を貸さず 自分の中に閉じこもって 嫌なことから逃げ続け 新しいことは怖いから 手を出さない いくつも いくつも 機会…